抜歯矯正・非抜歯矯正

東京ビアンコ歯科 / 矯正歯科 渋谷

抜歯矯正か?非抜歯矯正か?

 歯列矯正では、小臼歯の抜歯が必要か?または非抜歯矯正で施術するのか?の診断で大きく治療計画が変わってきます。

 治療計画が変わると、治療期間や治療費はもちろん治療結果も変わってくるので、重要な診断になります。

抜歯矯正の特徴

 犬歯の後ろの歯の前から4番目の第一小臼歯、または前から5番目の第二小臼歯を抜歯して矯正治療をするのが抜歯矯正です。

 前歯と奥歯(大臼歯)の中間の歯を抜歯します。

抜歯矯正のメリット

・歯を歯列弓に配列するスペースを十分に確保できる。

・口元を下げられる。

・上の歯と下の歯の前後関係を修正できる。

・後戻りの可能性が少ない。

抜歯矯正のデメリット

・健康な歯を抜歯することが多い。

・歯の移動量が大きくなるため、治療期間が長くなる。

・治療費用が高くなる。

非抜歯矯正の特徴

 小臼歯を抜歯せずに矯正治療をするのが、非抜歯矯正です。

非抜歯矯正のメリット

・健康な歯を抜歯せずに済む。

・歯の移動量が少ないので、比較的治療期間が短期間。

・抜歯矯正よりも治療費用が低価格。

非抜歯矯正のデメリット

・歯を配列するスペースが十分に確保できない場合、前歯が前にでる傾向がある。

・歯間部を削る(IPR)場合が多い。

・極端に歯列弓を側方に拡大した場合、歯根が歯茎から露出し知覚過敏をもたらすリスクがあるので注意が必要になる。

・無理に歯列弓を拡大した場合は後戻りがしやすい。特に下顎前歯部は歯槽骨が固いため後戻りしやすい。

抜歯矯正による咀嚼効率の変化

 咀嚼とは口の重要な機能の一つである、食べ物を嚙み砕き、また唾液と混ぜることでのみ込みやすい柔らかい食塊という状態にすることです。

 矯正のカウンセリングで、よく「小臼歯を抜歯すると嚙みにくくなるのでは?」と患者様に質問されます。

 結論から申し上げると、小臼歯を抜歯しても咬む機能に全く問題はございません。

 

 昭和大学 歯学部 歯科矯正学教室の「上下顎小臼歯抜歯症例における咀嚼機能の変化」という1999年の論文によると、抜歯直後は一時的に咀嚼能力は減少するものの、保定時には、初診時と同程度になると報告されています。

 また一番奥の第二大臼歯が欠損している場合にインプラントで補綴する必要性があるかをテーマに咀嚼効率を測定した別の実験もございます。28本歯が揃っている正常者と、上下左右とも第二大臼歯が欠損し24本しか歯がない人の咀嚼効率を比べたところ、24本しかない人でも98%以上の咀嚼効率を示したといいます。小臼歯は第二大臼歯よりもかなり小さいので、小臼歯が4本欠損していても咀嚼効率はほぼ100%と予想されます。

歯を並べるスペースが不足
アーチレングスディスクレパンシー

 アーチレングスディスクレパンシーとは、患者様にわかりやすく言うと歯を並べるスペースが不足していることです。

 歯科医学的には、上顎または下顎の全ての歯の幅(幅径)を足した長さ(総和)が、歯が並んでいる骨(歯槽骨)のアーチ(歯槽弓)の長さと不調和している、つまり不足してるか、大きすぎることを意味します。

 多くの症例で問題となるのは、歯を並べるスペースが不足していて歯がガタガタしている(叢生)場合です。

 このようば場合は小臼歯を抜歯することにより、歯を並べるスペースを確保する必要がございます。

【抜歯矯正の症例】

【インビザライン:抜歯矯正】

 こちらの八重歯の症例はインビザラインのマウスピース矯正で上下左右の小臼歯を抜歯して矯正治療しました。

小臼歯を抜歯することで、歯を配列するスペースを十分に確保できました。

非抜歯で叢生を改善例

 ただし、歯を抜かなくてもアーチレングスディスクレパンシーを解消できる場合もございます。

 歯列弓が横に狭く、狭窄している症例で、歯槽骨が頬側に十分な幅がある場合は、歯列弓を側方に拡大して、アーチ全体を広げることができます。

 加えてIPRという歯間部の歯の隣接面にあたるエナメル質を0.2~0.5㎜削って、歯間幅径をします。

【非抜歯矯正の症例】

【インビザライン:非抜歯】

 こちらの八重歯の症例はインビザラインのマウスピース矯正で小臼歯を抜歯することなく治療しました。

歯列弓を側方に拡大し、歯間部を削って歯冠幅径を全歯的に小さくすることで、歯を配列するスペースを確保しています。

Eラインを改善する場合は抜歯矯正

 Eラインを改善するために口元を下げるには、抜歯矯正が最も有効です。

 前から4番目の第一小臼歯、または前から5番目の第二小臼歯を抜歯して、左右の犬歯間の6前歯を後方に下げます。

鼻唇角の上唇の角度の改善にも抜歯矯正

 鼻唇角は、鼻と上唇との角度を言います。理想の鼻唇角は直角よりも大きい100度~110度とされています。

 上唇の角度は裏にある上の前歯の角度を矯正治療で変化させる必要がございます。

 上の前歯の傾斜を垂直に近く整直(アップライト)しますが、この時に歯列弓が狭くなるため、スペースが不足するので抜歯矯正が必要です。

上下顎前突の改善

 上下顎前突とは、上下とも口元が突出している状態を言います。

 上下とも口唇がEラインよりも前に突出しています。

 Eラインよりも口元を後方に下げるために、上下左右とも小臼歯を抜歯して、上下の前歯を後方に移動させてスッキリとした口元に改善します。

 咬み合わせは上下とも臼歯部の前後関係が正常なAngleⅠ級の場合が多いです。

上顎前突の改善
AngleⅡ級

 上顎前突とは、上顎が、下顎よりも極端に突出している状態を言います。

 上顎の口元を後方に下げるために、上のみ左右とも小臼歯を抜歯して、上の前歯を後方に移動させて、下顎に合わせて改善します。

 咬み合わせは上顎の第一大臼歯部が、下顎の第一大臼歯よりも前に位置しているAngleⅡ級の場合が多いです。

下顎前突の改善
AngleⅢ級

 下顎前突とは、通常は上顎の方が前方に位置し下顎の方が後方に位置しているのが、逆に下顎の方が上顎よりも前に位置している状態を言います。

 多くの場合は、下顎の第一大臼歯が極端に前方に位置したAngleⅢ級という咬合状態になっています。

 このような症例では、下顎の前歯を後方に移動させる必要があり下顎の小臼歯を抜歯する矯正治療となります。